眼鏡研究論序説

2007年4月22日コメント (1)

『眼鏡の有無に応じて服装は変わるのか』

　ジョー氏により突如突きつけられたこの命題に答える為、私は寝食を忘れるほどに思案した。これほどまでに脳を働かせたのは、今日の昼食を『チャーシュー麺』にしようかそれより2百円高い『ドラゴンラーメン』なるメニューにしようかの選択を迫られたとき以来である。閑話休題。
　さて、ジョーさんの『スクール水着にセーラー服の上着』を例に取り、そのような服装が成立するのはどのような場合か、考えてみよう。それは水泳の授業の見学だろうか。いや、通常であればそれはスクール水着のみで事足りる。ならばその少女は、特別に身体が弱いということになる。病弱な文系少女、イコール眼鏡っ娘である。
　ならば『セーラー服』のみではどうか。今時に校則の規定どおりのセーラー服を生真面目に着用している。性格のキツそうな風紀委員、ないし吊り目気味のクラス委員長。当然眼鏡っ娘である。
　では『水着』のみなら？なるほど、確かにプールに眼鏡をつけたまま入る者は少ないかもしれない。だがプールの水流は、少女が背伸びしてつけた薄化粧を無常にも洗い流してしまう。少女は素顔を衆目に晒すことを嫌い、プールサイドに上がった途端に、用意していた眼鏡を恥ずかしそうに着用するだろう。内気な少女。言う迄もない、眼鏡っ娘だ。
　『全裸』。眼鏡を外す、その二面性を楽しむ事が主流であった前世紀から、眼鏡オン／オフ機能の搭載、そして眼鏡キャラのポジションが確立された現在まで、美少女ゲームの歩んできた変遷を見れば明らかであろう。「だって……、○○クンの顔が見えなくなっちゃうじゃない」。異論を挟む余地があろうか、当然眼鏡っ娘である。
　つらつら考えるに、眼鏡は服装を選ばない。眼鏡はどんなときも等しく我々に恵みを与えてくれている。「この格好はいくらなんでも無しだよ」。それを思わせるのは、他ならぬ我々の偏狭な視野にこそあるのではないだろうか。個人の嗜好に偏差が有ることも理解しているし、あえて否定するつもりもない。ただ、そんな貴方にこの言葉を贈ろう。『ミスマッチがむしろ燃える』と。
　眼鏡は全てを抱擁する。それはあたかも慈愛に溢れた眼鏡っ娘の如く、或いはラーメンにおけるネギの如く。決してチャーシューのような主役ではなく、誰も気に止めないが当然のようにしてそこに有る、だが無いと物寂しい、眼鏡とはそのような存在であると私は思っている。
　以上、纏りの無い話ではあったが、御清聴に感謝申し上げる。

　なお、結局私の昼食はネギラーメンであったことを申し添えておく。草々。